第77章 誕生日プレゼントは傷害保険

杉浦杏奈が病院に駆けつけたとき、杉浦三芳はベッドに横たわっていた。頬から首筋にかけて、まだ引ききっていない赤い発疹が残っている。

杏奈は病室に入らず、扉の外に静かに立ったまま、様子を見ていた。

――アレルギーか。

視線が、すっと冷える。

三芳は百合の花粉に重いアレルギーがある。だから家に百合が飾られることは絶対にない。なのにこの症状だ。相当量のアレルゲンに触れたに違いない。

病室へ足を踏み入れようとした、その瞬間。

誰かが杏奈の腕を掴み、ぐいっと角へ引っ張った。

「俺のメッセージ、見てないのか? なんで来たんだよ」

杉浦秀明が、焦った顔で杏奈を見つめている。

母が入院したと...

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